2010年9月議会
 

平成22年度9月議会の内容

1.採択された主な議案
@ フォレストシティー春日開発に伴う、市の境界変更及び財産性分の協議
A 財産の取得 月の浦と隣接する牛頸の山林72,731uを1億1,200万円で(牛頸釜跡群の緑地保全と乱開発防止の為)
B 平成22年度 一般会計補正予算8,762万円(豪雨災害復旧費・大野東中学校大規模工事設計監理委託費など)
C 平成22年度 国民健康保険特別会計補正予算2,387万円
D 平成22年度 介護保険特別会計補正予算   943万円
E 平成21年度 一般会計決算認定(18:3で可決)松下は反対
F 平成21年度 後期高齢者医療特別会計決算認定(20:1で可決)々
G その他・国保・老人保健・介護保険・水道事業・下水道事業の決算も可決
H 選択的夫婦別姓制度の法制化に反対する意見書の提出に関する請願書
 総務市民委員会では賛成4・反対3で採択 松下は反対(反対討論添付)
 本会議では賛成12・反対9で可決された 松下は反対

【解説】

平成21年度の一般会計決算認定について、松下は何故反対したのか

  世界的な経済危機の中で、歳出301億2,652万円で4億4千万円の黒字
 特別会計全体は、歳出124億9,479万円で1億2,880万円の黒字
 経常収支比率や財政力指数・公債費比率も健全・実質赤字比率や将来負担比率は無い。では何故いつも「財政難の為新規事業は慎重に」というのか
 豊かな財力は何の為に使うのかが、行政の手腕である。
 貸借対照表や損益計算書などの財務諸表の評価だけでは、事業成果を審査する意味がない。次期予算編成を考慮しての審査をしなければ何ら変革を得る事はできない。 財政の健全化判断指標が何故良い指数なのかを精査すると、本当に市民本位の事業がなされているか疑問である。

後期高齢者医療特別会計は民主党の公約違反である

一般質問について

1.国保問題について
(1)国保法改正の概要について
(2)国保広域化政策について

2.こども・子育て新システムについて
(1)新システムの目的と方針・実施時期は
(2)保育内容はどう変わるのか
(3)公立保育園の存続は
(4)保育料について

【市の回答】
○ 今回の国保法改正は、国民健康保険事業を都道府県による広域化のための方針の策定と財政基盤の強化(徴収の強化)が目的
財政計画・徴収率向上計画等を本年12月までに策定し県に提出
一般会計からの繰入金は将来なくす方針、保険料率を上げなければならない
国保税の引き下げは財政難のため、国保特会への繰り入れの増額は無理だから引き下げは考えていない。

○政府の新たな子育て施策、基本制度の要綱案がでた段階。
将来幼稚園と保育園の一体化をするもので、実施時期は、待機児童解消対策等の一部保育サービスは平成23年度から、その他は25年度から実施
児童福祉施設最低基準の見直しがあるかどうかは、わからない
公立保育園の民営化や民間委託は考えていないが、他市の状況は調査している
市の保育料は国の基準より低く設定している、園で園長や職員の同席で保育料の面談をしているが、子育てに関する問題解決や納付への理解を得るため

《参考》

国民健康保険税が高すぎる理由
1984年まで国は総医療費の45%を国庫負担として自治体へ支給していた
その後、医療給付費の50%に変更した 国保は医療費の3割が自己負担
7割が国保の給付 その50%だから国庫負担は総医療費の35%になる
(実際は高額医療給付があるので38.5%が国庫負担)残りが国保税
医療費の3割と給付費の6割を負担している国保、高すぎる国保負担

 
平成21年度 大野城市一般会計決算認定について、反対討論
 
  平成21年度 大野城市一般会計決算認定について、反対討論をおこないます。

 平成21年度は、100年に1度と言われる世界的規模の経済危機、金融危機への対応や雇用対策の為に、地方への財政措置として、臨時財政対策債を含めた地方交付税総額が大幅に増額された年でした。

 そんな中での一般会計決算は、例年並みの4億4千万円の黒字決算ができ、経常収支比率は少々の財政構造の硬直化が進んでいるものの、財政力指数や健全化判断比率を見ても、本市の財政力は非常に安定しているといえます。 只その財力が市民サービスにどれだけ還元できたかが重要であり、決算認定の意義があると考えます。

 では決算とは何か? 一定期間の収入・支出を計算し、利益又は損失(損益)を算出することであり、企業会計においては、単に損益を計算するだけではなく、種々の財務諸表を作成し、詳細な情報開示が行われるものですが、地方自治体の決算も同様であります。

 決算や予算の変遷を見ると、本市の施策の過程が読み取れます。

  決算書で収支の数字面だけを見て、貸借対照表や損益計算書で黒字

  だから「可」とするならば、事務事業の成果審査は不必要になります。事務事業の成果審査は、次期予算を考慮しての審査なくしては何ら変革を見いだせなくなる程の重要性があると思います。

 長引く経済危機を脱出するには、内需拡大・内需主導の転換を実施し家計を支援することが大切であります。

  国の政策が国民の暮らしや教育・社会保障の充実に期待が持てない今、地方の政治は最も大切な市民の安心な暮らしを守るためのより一層の重責を果たさなければなりません。

  しかし、税は国税徴収法に則って差押え等、強制的に徴収することも可能であります。そこには個々の事情は全く配慮されることなく

  たとえ通帳のお金が、病院代の支払いや生活の基盤である家賃の支払い用であっても、容赦無く徴収される事もあります。

  それは、支払うだけの資産がある又は支払うだけの能力がある悪質滞納者と判断されたからでしょう。

  このことを行政に置き換えればどうでしょう。


  決算書は黒字、財政力指数も良好、将来負担も発生しない程の財力があっても、市民の要望には慎重に対処し、子育てや教育関連への投資はなかなか増額しない、それどころか本当に必要な執行額なのかという疑問に、明確な回答がなされない事業があることを前述の事例に当てはめれば、支払える資産がある、支払える能力があるのに払わない状況と同様ではないでしょうか。
まもなく大山ダムが完成し用水の供給が開始されれば、責任水量の購入と共に、原水費が高騰し水道会計が悪化するのは確実なのに、

  五ヶ山ダムの他不必要なダム建設への出資金は見直す時期ではないでしょうか。 また、同和団体支援事業費は補助金でありながら、

  金額の見直しの交渉をしなければならない反面、市民への補助金は問答無用に事業廃止をおこなうなど、支援の視線が反対ではないでしょうか。本来交渉事は県や国に対し全力で行ってほしいものです。

  以前他の議員が、一般質問の中で紹介してありました、岩手県の沢内村では1961年に老人と乳児の医療費無料化という、全国の先駆けを実施し乳児死亡率ゼロを達成したのですが、当時は老人と乳児の医療費無料化は国保法違反でありました。厚生省と根気強く交渉した深沢村長は、「生命尊重こそが政治の基本でなければならない。 命あっての物種であって、ものあっての命になってはならない」と 生命行政を展開してあります。

  大野城市でも、個別の事務事業を評価し賛美するものや、職員の皆さんの苦労がにじみ出ている箇所も沢山あります。

しかし重要な点は、財務諸表の指数や数値目標に目が奪われ、事業の本質や市民ニーズに応えた事業がどれだけ多く達成できたかであります。私には粛々と事業が遂行され、本来の輝きが失われつつあるように感じてなりません。もっと研鑽をしてください。

  以上で認定第1号についての反対討論を終わります。
 

平成21年度 大野城市後期高齢者医療特別会計決算認定について反対討論

 

 平成21年度 大野城市後期高齢者医療特別会計決算認定について反対討論を行います。

  2008年4月から始まった後期高齢者医療制度は、発足当初から国民の激しい怒りを受ける制度として強行されたものです。

  高齢者を他の年齢層から切り離し、高い負担と安上がりの医療を押しつけるこの制度は、「なぜ、高齢者だけ健保や国保から追い出すのか」「これは医療差別ではないか」という批判が起こる中、保険料の「年金天引き」という負担増制度も行い、年金・介護制度の改悪や高齢者増税への不安と怒りを呼び起こしました。

  また、それまで老人保険制度に加入していた65歳から74歳までの障害者が、強制的に後期高齢者医療制度入れられ、加入を拒むと自治体の医療費助成まで受けられなくなる問題も発生しました。

 国中の批判を浴び2008年6月には、共産・民主・社民・国民新の4党提出の廃止法案が参議院で可決され、2009年8月の政権交代への原動力になったのは言うまでもありません。ところが新政権は、後期高齢者医療制度の廃止を、4年後に先送りにしました。

  発足以来2年目の決算認定であります。結果は、704万7千円の黒字でありましたが、決して「良」とする評価には値しません。

  なぜならば、高齢者の皆さんの不満や不安、そして怒りが込められた制度での決算であり、家計や健康面での多大な痛みと苦しみを押しつけているからです。

  公的医療保険は、国と事業主の責任で、全ての国民・労働者に必要な医療を保障するための制度です。

  手厚い医療を受けたいのであれば、負担増を我慢しろ。負担増に耐えられないなら不十分な医療で我慢しろ、では民間保険と何ら変わらず、お金のない人はまともな医療を受けられなくなります。

  後期高齢者医療制度は、2012年末で廃止にまで追いつめましたが、厚労省が考えている「新しい高齢者医療制度」は、国民健康保険と連動させ都道府県単位の「国保の広域化」を推進させています。
 
 問題は高齢者の年齢を、65歳に引下げ現役世代と別勘定の国保に強制加入させ、保険料も財政も別建てで65歳以上の人は健保の扶養家族になることも認めない、という現行制度と何ら変わらないものです。これでは、差別・給付削減・負担増の仕組みを、75歳以上から65歳以上に拡大するだけと言わざるを得ません。

 後期高齢者医療制度廃止は、新政権の公約であった筈です。

  「不毛で危険をはらんでいる」新制度論議は直ちにやめ、まず老人保険制度に戻すという公約に立ち返るべきです。

 以上の理由から認定第5号に反対であります。