2010年6月議会
専決処分について反対の立場での討論
 

 第44号議案・第45号議案及び第46合議案の専決処分について反対の立場での討論を行います。
 3議案共に本年3月31日付けで専決処分をされ、同年4月1日から施行されています。専決の理由に地方税法等の一部改正により本市の税条例の改正する必要が生じたが、議会を招集する時間的余裕がなかった為とあります。 去る3月24日、参議院本会議の議決により「地方税法等の一部を改正する法律案」が可決・成立し4月1日から施行され、大野城市の市税条例の一部を改正する必要が生じたものであります。
 今回の法改正は、政権交代後初めての税制改正であり「地域主権改革」を提唱する民主党が、どのように地方財政の関連法を改正するのか大変注目されました。
 しかし、地方税法では民主党のマニフェストにもなかった個人住民税の年少・特定扶養控除廃止・縮減をおこない、過去最大規模の増税をもたらしています。しかも「子ども手当」の月額26,000円の支給の保障がないにもかかわらず、増税となる個人住民税の扶養控除等の廃止は、恒久措置とされています。その上、その影響を是正する具体的な措置は示されないままです。まさに今回の改正が 控除から給付への第一歩であることは間違いありませんが、扶養控除の廃止により発生する諸制度への影響は、雪だるま式の値上げになりかねません。今後各自治体は独自制度での対策が課題となります。
 65歳以上の公的年金を受給する給与所得者について、公的年金にかかる市民税の所得割額を給与から特別徴収、いわゆる給与からの天引きになります。 一昨年の改正で個人住民税の所得割額の天引きが行われるようになっていましたが、給与所得者については年金からの天引きはおこなわれていませんでした。今回の改正で本人が普通徴収を申請しなければ、給与から公的年金分も一括して天引きされることになります。税金が納付ではなく徴収になったとの不満が、また一段と増えると心配されます。
 一方、期限付きで税負担の軽減を定めた特例措置の見直しでは、大企業優遇の拡充・恒久化、証券優遇税制も継続する内容になっています。 政府は公平でわかりやすい税の仕組みを構築する観点から、六つのふるいを設けて税負担を軽減する特例措置の見直しをおこない、地方税法関係では、拡充、延長、縮減、廃止など90項目の見直しがされています。
 これは、国税の「租税特別措置法」の見直しにあたりますが、この改正により、県税の不動産取得税、市税の固定資産税や都市計画税が増収となりました。今回、都市計画税条例の一部改正が条項の整理となっていますが、住民の負担延長になっていないのか審議する必要があったと考えます。
 国民健康保険税に関しては、応益割額の所得基準による減額措置について、政令で定めた市町村の応益割合にかかわらず、市町村の実情に応じて、七割・五割・二割の軽減を行うことができるようになっています、また改正条項にある非自発的失業者への負担軽減措置として、雇用保険の受給資格者のうち「特定受給資格者」と「特定理由資格者」について、2年間に限り国保税の算定額を前年度給与の100分の30とし軽減措置をしたことは賛成できますが、上場株式等の譲渡損失に係る特例の見直しをしないのは、証券優遇税制を継続しているからであります。
 また、課税限度額の引き上げは、応能負担の原則からいってもっともでありますが、国保税の最高税額が年間73万円になる所得基準の見直しは必要ないのか、論議の余地があると考えます。
 今回3議案について専決処分がなされています、条例改正の内容については、縷々申しましたが、専決のあり方は果たして妥当であったでしょうか。
 確かに地方税法等の一部を改正する法律を3月31日に公布され、4月1日から施行するには、議会を招集する暇はありません。
 しかし、「地方分権社会」や「地域主権改革」を目指しているのであれば、地方議会に論議の余地を与えない手法は矛盾する施策ではないでしょうか。
 条例改正の中身も、また専決処分の手法そのものにも反対するものであります。
 以上で3議案の専決処分に対する討論を終わります。

 

一般質問

 

 私は6月定例会において、1.フォレストシティー開発、2.教育問題の2点質問致します。
 まずフォレストシティー開発についてでありますが、この質問は2007年9月議会において、7番議員が取り上げていますが、当時はまだ開発の全容が見えておらず、開発計画を下に回答がなされています。しかし3月議会でフォレストシティー内の市道認定がなされ、現時点では松が丘月の浦線から県道580号線、通称現人橋乙金線の白水大池公園西交差点までのメイン道路が開通しています。
 また大規模小売店舗の説明会も開催され、いよいよ大型商業施設の建設が始まります。情報によりますと、今回ホームセンター・ディスカウントセンター・家電量販店の3店舗が中核施設として入居、今年の10月下旬に新設開業するということです。店舗面積は、  ホームセンターが15,570u, ディスカウントセンターが、9,424u、家電量販店が5,040u、その他ドラッグストアーや飲食店、ファッション関係、100円ショップなどの店舗が入居するものと考えられています。
 しかし道路事情が悪すぎる、という評価がなされている条件での開業であり、各社集客に力を入れるのは明白ではないでしょうか。
 2007年の9月議会の回答では、「計画が完成した時点での交通量は日量約23,000台、そのうち約3,500から4,000台が南部地域を利用すると予想される」というものでしたが、大型商業施設が開業した条件でも交通量の予想は変化ないのでしょうか。
 また、交通渋滞の発生は考えてあるのでしょうか。南コニュニティー地区の住民の皆さんは、通学路の心配や生活道路への車の進入、特に慢性的な交通渋滞や違法駐車が発生しないか、とても心配されています。
 現時点での春日フォレストシティー開発による、南コミュニティー地区の交通形態について尋ねます。
  1.大型商業施設の開業により交通事情はどう変化すると考えられますか、
  2.宅地整備による住民の増加で交通事情はどう変化すると考えられますか、
  3.当初見込みの交通形態の修正はあるのでしょうか。回答を願います。
 次に教育問題の質問をいたします。1点目は全国学力調査についてです。去る4月20日に小学6年生と中学3年生を対象にした、全国学力調査が実施をされました。今回で4回目の学力調査ですが、今回は全国一斉ではなく抽出方式で実施をされました。
 文部科学省は、全国で3割程度の抽出型に方針転換しましたが、自主参加も可能にしたため、7割を超える学校が参加した模様です。
 しかし、昨年までの全国一斉調査と違い、県と市町村、学校単位での集計結果のデーターは得られず、県単位だけになります。
 しかも自主参加では、独自に採点、集計しなければ、市としての実態や水準はつかむことができなくなっています。
 今回のテストが、児童・生徒一人一人の指導にどれだけ役に立つのか、どんな方法で役立てようとするのか、はなはだ疑問であります。
 全国では13県のみが全校参加であったようです。九州では熊本県以外の6県が全員参加しました。
 昨年までのデーターとの比較をする意味が無くなってしまった今回の学力調査を、福岡県教育委員会はなぜ全員参加で実施したのでしょうか、大野城市も学力調査を実施しています。調査結果を今後どのように活用する方針なのでしょうか、その詳細について尋ねます。
 2点目は、ゆとり教育について質問します。ゆとり教育は失敗だった、ゆとり教育のせいで子どもたちの学力が下がった、等と批判された為、新学習指導要領の趣旨や内容が的確に反映された、質・量ともに格段に充実した教科書への改善が行われるようです。
 ゆとり教育から詰め込み教育への転換と言われる要因でありますが、文部科学省のホームページで公表されています、「教科用図書検定調査審議会」の報告では「教科書に記述されている内容すべてを学習しなければならない、といった従来型の教科書観について、個々の児童生徒の理解の程度に応じた指導の充実・興味関心を持って読み進める・家庭での自習が主体的にできるといった観点から、教科書に対する考え方の転換をする」とあり決して学習量を詰め込む方針ではないと推測されます。また学級編成・教職員定数の改善に関するヒヤリング・意見交換では、複式学級を廃止し少人数学級の実施を求める意見が多く、学習指導面や生徒指導面での効果や成果についての報告もされています。
 むしろ教育現場は、環境面でのゆとりを求めているのではないでしょうか。 文科省は学級編成基準を30年ぶりに引き下げる考えを示しています。 先生と生徒が向き合う時間、子どもたちへのきめ細かな指導、教室にゆとりスペースができ学習環境が向上する等の効果が期待できます。本来のゆとり教育とは何か、少人数学級の導入について、大野城市の見解を伺います。
 以上で壇上からの発言を終わり、まずフォレストシティー開発の南コミュニティー地区の交通形態について3点の回答を求めます。
後は自席より質問を続けます。

【再質問】
1.(1)南コミュニティー地区の交通形態について
@Aオープン時の混雑は容易く想像出来ますが、その終息までの対策は何か検討されているか。

例えば交通規制、時間帯の進入禁止や右左折禁止などは

B西鉄バスのコース変更や増便あるいは減便等の検討は

ふれあい号のコース変更についての検討は
コミュニティー運営委員会への提言を要求する

(2)大野城市内の宅地開発について(コットンヒルズ 月の浦)
@開発計画の進捗状況は

A公共施設の建設は  どんな公園か

  1. 宅地整備による税の増収見込みは  

前半の質問にもあるように、買い物などの環境は良いにしても
交通渋滞などの不便等は、月の浦区や南モミュニティーでの将来の検討課題として位置づけをお願いする。

2.教育問題
(1)全国学習調査について
@県に従い本市も全員参加した理由は
調査結果のデーターは従来と違うと思うが

A学力調査の活用法について(学力向上プランの活用)
各学校で実施している独自のテストの方が、個々の学習課題をつかみ、日々の指導に役立てられるのではないか

 B調査の費用負担は、採点・集計はどこがするのか

 C今後の方針  来年以降も調査を続けるのか
継続する効果は少ないと考える  
本市独自のテストを計画し、県教委に対しその支援を要求
(2)ゆとり教育の変更について
@教育長の見解は

 A来年度からの授業量増加への対策は
授業時間の増加   教科書の量・質の増加

  現場教員が対応出来うる余裕が講じられるか(事務作業の軽減)

 B学級編成基準の見直しについて本市の今後の対応は

  実質40人以下の学級と学級編成基準を引き下げた場合の
児童・生徒数とクラスに変化が生じる→その対応は

 

 C少人数学級の導入について
複式学級や少人数授業は子どもの選別になる
子ども同士の討論型の授業が出来なくなる
習熟度別授業は、自己否定感や優越感などの問題がある
基礎的な学力と人間的な豊かさを持つ、育てる事が重要

  できる子を伸ばす=できない子はできないままでいい

エリート養成教育を公教育の現場に持ち込む考え

少人数学級の効果や成果は研究しているが実施出来ない理由は

財政担当部局の考えは  市長は、子どもは大野城市の宝という方針であるが教育問題での見解は如何に考えるか

【まとめ】
今回2点質問をしましたが、近隣の大型開発による本市への影響は、
便利な面と、迷惑な面の両面が発生すると考えますが、コミュニティーによる自治力で問題を解決する事に、行政が後押しをすると言う、協助と公助が一体となることが大切だと思います。
また教育問題は、子ども達の未来へ大きく影響を及ぼす大切な問題です。「授業が解らないのは子どもに力がないから」「できに子どもに費やす時間は、できる子の為に費やすべき」「授業が進まないのは
先生の能力がないから」これらの言葉は正解ではないと思います。
なぜなら、個人の能力は生まれつき遺伝子的に決まっているものではありません、人間の能力を育てるのは過去ではなく、将来の環境で決まるからです。そして人間本筋の柱は希望だと思います。
大野城市の未来のために、子どもの教育にお金を使いましょう。

大野城市南地区の道路
県道 長浜太宰府線  現人橋乙金線
市道 松が丘日の浦線 平野日の浦線 畑ヶ坂月の浦線
平野南が丘線  下大利南が丘線 上居屋敷平野線
つつじヶ丘地区内道路 

 

生活保護の「老齢加算」復活を要求する国への意見書を求める請願書 追加説明

 

 請願者の趣旨は、お手元の請願書に書いてある通りでありますが 少しだけ追加して説明を致します。
 生活保護費に対する老齢加算は、加齢に伴う食事への配慮や慶弔費の増加などに対応して、月額18,000円前後支給されていました。
 2006年に老齢加算の全廃が実施されましたが、国はその根拠を次のように言っています。
 「一般低所得高齢世帯の消費支出額は、70歳以上と60から69歳までとを比較した場合、70歳以上の方が少ない」というものです。
 しかし、仏教大学の金沢教授の調査では東京と京都での調査で、高齢世帯の生活費は最低でも11万円は必要であるという結果でした。
 また先日テレビのドキュメンタリー番組で、高齢者の買い物難民が全国で600万人にも達していると言っていました。
 買い物難民とは、高度経済社会に沸いていた頃の住宅街が、近年の不景気と少子化で住民が減り、街が疲弊してしまい商店も年々減っていってしまった。残ったのは高齢者と少ない店舗のみ。
 高齢者は以前のように自由に買い物ができず、遠くのスーパーまで歩いて行くか、少ない食材で飢えを忍ぶ様な食事をするか、どちらを選択しても健康的な生活は出来ない状況になっている。これが買い物難民といいます。
 生活保護基準とは、国の社会保障政策の「ものさし」といいます。
 最低限度健康で精神的、文化的にも満足できる生活水準を測るものさしです。この水準の中身自体を下げるのではなく、よりよくしていく事こそ必要ではないでしょうか。

どうぞ、議員の皆様の賛同を宜しくお願い致します。
 
生活保護の「老齢加算」復活を要求する国への意見書を求める請願書、に対しての賛成の立場での討論
 

 請願第2号。生活保護の「老齢加算」復活を要求する国への意見書を求める請願書、に対しての賛成の立場での討論を行います。
 委員長報告では不採択でありましたが、6月14日に、福岡高裁で老齢加算訴訟の逆転原告勝訴の判決が出されました。5月27日の東京高裁の合憲判決と違う判断が下された事になります。
つまり、老齢加算廃止は合憲であるという東京高裁判決と、生活保護法第56条に違反するという福岡高裁の判決が生まれたことになります。
 この裁判の背景には、1957年8月から始まった「朝日訴訟」という生存権裁判があることを考慮しなければならないと思います。
 当時の社会福祉事務所は、生活保護による生活扶助の水準は月600円で、肌着は2年に1着、パンツは1年に1枚、ちり紙は1ヶ月1束という認識でした。朝日さんは、「これでは療養中の患者は日用品が不足し、生命と健康を守るために必要なバターや卵、果物を購入する捕食費を認めないのは憲法25条に違反する」と訴えたのです。
 1960年10月19日東京地裁で「憲法25条にいう健康で文化的な生活は国民の権利であり、国は国民に具体的に保障する義務がある、
 それは予算の有無によって決められるのではなく、むしろ指導支配しなければならない」という判決が出されほぼ完全勝訴でありました。本人が死亡した後も、養子縁組により裁判を続けるも、1967年5月24日最高裁は、生活保護処分に関する裁決の取消訴訟は、被保護者死亡により当然消滅する、としながらも生活扶助基準の適否に関する最高裁判所の意見を付加しています。
 今回福岡高裁の判決では、この最高裁の意見を元に憲法や生活保護法の趣旨、目的に反し厚生労働大臣の裁量権の限界を超えた場合や、裁量権を乱用した場合のみ、違法となるという判断が下されています。 また生活保護法56条にある、不利益変更の正当な理由については、被保護者は、正当な理由がなければ、既に決定された保護を不利益に変更されない。という規定を厚労省が遵守しているか、も問うています。老齢加算を廃止しても、高齢者の最低生活基準を維持されるように検討する必要性を指摘した、厚労省の専門委員会が出した中間取りまとめの但し書きや、激変緩和措置を十分検討することを求めた1項目を、厚労省が予算編成の場で、内容の検討や保護基準改定に対し何ら考慮もされず、財務省原案を内示したことを厳しく断罪しています。
 朝日訴訟の原告が主張するように生存権問題は、ただ単に個人の問題ではなく、国民生活のレベルを上げるものであり、弱い者同士が足の引っ張り合いをするような画策をしたりするのではなく、国や地方行政の責務は最低生活を削るより、むしろ底上することではないでしょうか。
 以上の理由から、高齢者の実情を配慮し、牽いては国民生活の生存権の保障を確立する目的からも本請願は採択し、国に対し意見書を提出すべきものと考えます。
以上で請願第2号に対する賛成討論を終わります。

 
大野城市税条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論
 

 第50号議案。大野城市税条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論を行います。
 今回の市税条例の一部改正の理由は、3月24日の参議院本会議で議決された「地方税法の一部を改正する法律」によるものです。
 6月議会2日目の、市税条例の一部改正の専決処分に対する反対討論でも発言いたしましたが、民主党のマニフェストになかった個人住民税の年少・特定扶養控除の廃止・縮減が盛り込まれています。
 改正の実施時期は、平成24年度以降からではありますが、委員会の中での負担増についての説明では、平成21年度をベースにして、16歳未満の扶養控除33万円の廃止の影響は、13,500人で増額は
 2億6,700万円、16歳以上19歳未満の特定扶養控除の上乗せ分12万円の廃止の影響は、3,090人で2,200万円、合計2億8,900万円の負担増になります。これは2006年の定率減税廃止による増税に次ぐ過去最大規模の増税になり、関連する諸制度への影響は雪だるま式の値上げや、助成打ち切りなどが発生する可能性が生まれます。
 政府は増税分の使い道は、「子ども手当ての財源」としていますが19歳までの子育て世代を直撃する扶養控除の廃止・縮減は、何のために「子ども手当」を作ったのか、整合性にかけるものです。
 また非課税口座内における小額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の創設については、そもそも上場株式等の配当及び譲渡所得に対する税率の特例措置がなされているものです。
 本則の20%税率を10%にする軽減税率は、大資産家優遇との批判から平成21年1月1日に一部を除き本則に戻す改正をするはずだったのを、3ヵ年延長する措置をとりました。
 今回は100万円以下の上場株取引に限定をしていますが、10年間の非課税措置を新たに講ずるというものです。
 一部の資産家には、税制面での優遇措置を講じながら、16,000人の市民には正当な説明もなしに、条例改正を行い大増税することなど、到底容認できるものではありません。
 以上の理由から、第50号議案には反対であります。