2009年6月議会
一般質問
 

 12番。日本共産党の松下真一です。

  私は、6月定例議会において@地元業者対策A新型インフルエンザ対策B一斉学力テストの「公表」についての3点質問いたします。

  昨年秋以降、カジノ資本主義の破綻による世界的な経済・金融危機が進行し、中小・零細業者を未曾有の苦境が襲っています。政府も緊急経済対策を打ち出していますが、多くは大企業や行政向けの経済対策であり、中小・零細業者にはなかなかその効果は届きません。その中でも緊急保証制度を活用し年末や年度末の資金繰りの工面ができ、何とか商売を続けられると喜んでいる方も少なくありません。

 こうした中小・零細業者の実態調査を、福岡県商工団体連合会が本年1月から3月まで聞き取り形式で行い、2,045社からの回答の結果をまとめ、4月 23日に発表しました。この記者会見にはマスコミも高い関心を抱き、テレビ局は、NHK,RKB,KBC,テレQ各社が、同日夕方のニュースで放送し、西日本、読売が24日の朝刊で報道しました。

 各マスコミは「この調査で中小業者を取り巻く深刻な状況が浮かび上がった」と指摘をし、とくに70%以上が売り上げ・利益が減少し、60%が「本業で食べていけない」「アルバイト、年金、預金、生命保険の取り崩しに頼っている」事に注目した報道が目立っています。また県連合会の柳事務局長は記者団の質問にたいし次のように話しています。

 「家族経営が多い中小零細業社は、常に経済的な苦難を経験しているケースが多いが、今はかつてないほどの厳しい生活に直面している。後継者難もあり業者は年々減っているがこのままでは、さらに廃業に拍車がかかる。県や国にたいし支援策の拡充を要望して行きたい」 事務局長の話からも、制度融資の条件緩和や生活に密着した公共事業などの施策が急がれます。 そこで地元業者対策として、@現状の把握と今後の予測についてA仕事おこし施策の具体策についてB市の中小企業融資制度の条件緩和についてC小規模工事登録制度の充実策についてD住宅リフォーム助成制度の実施についての回答を願います。

  次に新型インフルエンザ対策について質問いたします。メキシコで発生したと言われる新型インフルエンザは世界中に蔓延してしまい、日本国内でも感染者が発生する等大変な問題になっています。

 福岡市でも8日に初めて感染者が確認されました。

  幸い国内での感染者はいずれも症状は軽く、早くに回復されていますが、ロイター通信などによると、世界64の国や地域で約19,000人が感染し、117人が死亡したと報道しています。

 WHO(世界保健機構)は警戒水準が「フェーズ5」から「フェーズ6」の世界的な大流行に近づきあると示唆して、警戒を強めています。

 スペイン風邪の教訓でも、一旦終息した後の秋に世界的大流行になり、多くの死者を出し社会機能が麻痺してしまう事が予測されます。

 今後新たな第2波に備え、場合によっては行動計画の見直しも必要ではないでしょうか。
  大流行をした米国・アメリカの医療制度と違い、日本は社会保障としての機能を持つ、世界に誇れる国民皆保険制度を維持しています。国民が平等にいつでも、どこでも必要な医療を受けられる体制が、国民の命を救う事になります。

 しかし、その国民皆保険制度も、危険な陰が漂っています。資格証明書や短期保険証の発行で病院へ行く事を抑制してしまうケースが続いているからです。もし国内で、大流行の発生予測がなされた場合、すぐに医療機関に相談しなければ、米国・アメリカの二の前になりかねません。今後の本市の考えを伺います。

  最後に小学6年生と中学3年生の児童生徒に行われています、全国学力テストの結果の公表について質問します。

 去る4月18日付けの西日本新聞に、福岡県教育長が、全国学力テストについて「市町村教委は積極的に住民に結果を公表し、説明責任を果たしてほしい」と述べ、テスト結果を公表するよう市町村教委に要請した、と報道しています。

 大野城市はこの学力テストの実施に参加していますが、結果の公表については「学校の順位づけ、序列化に絶対使われないように注意を払い、結果の公表も市全体の結果のみ行う事になっています。

 県教育長の「要請」に対し本市はどのような対応を考えてあるのか伺います。

  まず大きな1点目の地元業者対策についての質問5項目の回答を願います。

  以上で壇上からの質問を終わり、後は自席から質問を続けます。

【再質問】
(1)福岡商工会議所の調査では、昨年10〜12月期の自社業況が-60.9と大きく落ち込み、特に建設業は-68.5、サービス業が-62.7ともっともひどい。
 久留米商工会議所の調査では、建設業が-84.8とひどい状況。本市ではどのような把握をしているか? 調査はしているか?(パネルの説明)

(2)新たに地域活性化・経済危機対策臨時交付金が交付されるが、本市の算定額は?
その使い道の具体策は?

(3)100年に一度の経済危機といいながら、本当   に困っている人には思い切った施策が必要。単年度だけでの特例措置はできないのか

(4)(5)は建築業界への支援策の一環としての  提案。これ以外に市独自での対策があるのか?
  宮崎県都城市が本年度・21年度の2カ年事業で再会している。規模は年1億円ずつ

2.新型インフルエンザの対策に限定して
  インフルエンザに感染した疑いがある場合、筑紫保健福祉環境事務所 福岡県庁保健衛生課の相談窓口(発熱相談センター)に電話する事になっているが、

(1)ホームレス対策はどうなっているか
   ホームレスになる人の質が違うと聞くが?何か

(2)資格証明書発行世帯への対応は
  医療機関への相談や診療方法の周知はできるのか

(3)子どものいる世帯への短期保険証発行の今後
   短期保険証の期限は?
   緊急事態になったときの対策は?(2)も同様
   保険証の有無は関係なく発熱相談センターへ行くのか? 窓口での支払いはどうなるのか?

(4)保育園が休園になる場合はどの様な時か
   医療機関や社会基盤活動に責任ある世帯の子どもを持つ親が、出勤できなくならない対策は?
   事前に家庭状況等の把握や、保育園との連携は
   勤務先との連携は

3.学力テストの公表について
(1)本市の対応は以前と変わらないのか

(2)「学力向上プラン」について
   CRTテストの効果は?
   学力テストを続ける意味があるのか?
   中止を要求する。

【まとめ】
  4月に生活保護問題の学習の議員研修を受けてきましたが、その記念講演で、慶應義塾大学の金子勝教授が「穴だらけのセーフティーネット・生きていくことが困難な社会」と題しての講義を受けました。

 印象的な話を一つ紹介します。

  「現代社会が形成する貧困は自立の形成が著しく困難になる。また教育課程で中退、雇用課程で非正規雇用が継続すると、学業も職業も達成感を味わえず職業的ミッションの形成もできない。貧困だけの問題に止まらない極めてセンシティブである」。つまり、人間の尊厳や働く達成感を体験できない状況は、国家の損失になてしまう、ということです。

  地元業者の活性化も、医療問題も、教育も、根っこは貧困につながるが、行政で支援できることは積極的に行わないと本市の発展にも影響すると思う、今後も上から目線に陥ることなく、市民の立場に立った施策を更に実行される事を要望して、一般質問を終わります。

 
大野城市の一般職員の夏期期末手当と勤勉手当を0.2ヶ月分削減するという、
人事委員勧告を受けた条例の改正にたいする反対の立場での討論
 

 12番。日本共産党の松下真一です。

 第46号議案について、反対の立場での討論を行います。

 本件は、大野城市の一般職員の夏期期末手当と勤勉手当を0.2ヶ月分削減するという、人事委員勧告を受けた条例の改正であります。この人事院の「臨時勧告」は、大変大きな問題を含んでいます。

  もともと公務員は労働3権が一部しか認められておらず、 団結権、団体交渉権や争議権(ストライキ権)は認められていません、特に警察や消防は団結権すら認められていません。

 こうした当然、認められるべき権利を制約する代償としてつくられたのが「人事院勧告」制度で、人事院が年に1度、民間の労働条件を調査し、公務員の労働条件を変更するように勧告することになっています。

 この勧告は、7月末まで民間の調査を行い8月に勧告するようになっているのですが、今年だけは「臨時勧告」と称し、夏の期末手当の支給に間に合うように5月に出されたのです。

  ところがこの内容が問題で、通常は11,000企業を対象に対面調査するところをわずか2,700社に郵送で調査し、そのうちボーナス額を決めた企業がわずか13.5%しかなかった中での 勧告をおこなったのです。

  5月21日の衆議院総務委員会で、人事院の谷総裁は、「全体を反映したかといえば、そうではない」と回答し、また「民間労働者を含め、多くの方に何らかの影響を与える」と認めています。

 こんなずさんな調査結果で「臨時勧告」をしてまで6月に期末手当を削減する必要があるのか、なぜ、例年のようにきちんと調査をし、8月の勧告に基づき改めることをしなかったのか、とうてい納得できるものではありません。

 特に今の経済情勢は、内需をどう拡大するのか、消費を増やすためにどうするのかが問われており、「臨時勧告」により全国で600万人の労働者が影響を受け、尚かつ民間の一時金引き下げの口実に使われれば、きわめて重大な事態になります。

 今回の人事院勧告は、手続きもその内容も全く容認できるものではありません。

  以上の理由により、第46号議案に反対であります。

 
大野城市税条例等の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論
 
 第38号議案、大野城市税条例等の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論を行います。

  今回の地方税法の改正は、未曾有の経済危機に対する経済効果をねらった減税措置があげられます。

  減税措置といえば賛同しなければならない筈でありますが、今回の措置が多くの市民に享受されるかと言えば甚だ疑問であります。

  住宅ローン特別控除の創設は、過去最大額の減税であり、認定長期優良住宅に対する固定資産税の減額措置と共に、麻生内閣の経済対策の目玉でもあります。住宅ローン減税の最大控除可能額を、一般住宅で500万円、長期優良住宅で600万円に引き上げ、
所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額は個人住民税の所得割から控除できることになります。実施時期は一般住宅が平成21年度から25年度の5カ年の新築のみ、長期優良住宅は様々な条件をクリアーした家屋で平成22年3月31日までの新築に限っています。政府は今回の制度により住宅の着工戸数が増加し、生産誘発効果は3.7兆円、経済効果3,000億円と併せて波及効果は4兆円と見込んでいますが、今の経済危機の状況で果たしてこれだけの新築が見込まれるか疑問であります。

 しかもかなり高額な住宅が対称であり、裕福な世帯だけの減税措置としか言えないと考えます。

 自治体の市税減収分は、全額国からの「減収補填特例交付金」で補填されますが、将来にわたって交付される保証もない状況では、住民負担を危惧しなければなりません。減税は全ての住民に公平に実施されるべきであります。

  また、上場株式等の配当及び譲渡所得に対する税率の特例措置は、軽減税率の3カ年の延長です。

  現行の上場株式等の配当・譲渡益に対する本則20%を10%にする軽減税率は、元々大資産家優遇との批判から昨年の改定で、平成21年1月1日から、配当は100万円以下の部分、譲渡益は500万円以下の部分のみを10%の軽減税率とし、平成23年1月1日からは20%の本則税率に戻すとしていましたが、10%軽減率を復活延長するものです。

 大野城市での対象者は平成20年度の資料で800人ということです。ほんの一部の投資家の減税としか言いようがありません。

  多くの市民は非常に苦しんでいます、減税をするならば不公平にならないように、全ての市民に当てはまる措置を講ずるべきであります。

以上の理由から第38号議案に反対であります。
 
大野城市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論
 

 第39号議案。大野城市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について、反対の立場での討論を行います。

 上場株式等に係る配当所得の分離課税選択分を総合所得に合算するとは、配当所得を源泉徴収か確定申告の選択ができるということです。
また、上場株式等に係る譲渡損失を損益通算の適用対象とする事とにより、仮に配当所得が増額になり保険税が増税になっても、国保税は上限額が設定されているため膨大な増税にはなりません。

  しかし大きな譲渡損失が発生した場合には所得割分が減額されることになります。
上場株取引のような、おおよそ庶民にはなじみのない取引で損失を出して、国民健康保険税の実質減税になるような措置は、払いたくても払えない国保税に苦しむ市民に、少なからず負担増になり税負担の公平性にも反すると考えます。

  こんな一部の資産家だけが恩恵を享受されるような税制改正は、国の税改正に準則しているとはいえ、

  大野城市の国保会計の面から見ても賛成できないものであります。

  以上で討論を終わります。

 
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