2007年3月議会
第8号議案平成18年度
大野城市一般会計補正予算(第5号)の反対討論
 
 平成18年度は、税制改正により、高齢者を中心に住民税の大幅な増税が実施されました。

歳入の補正額に、個人市民税増額分、1億2,320万円が計上されています。

これは好景気の恩恵で、 住民の所得が増えたのではなく、定率減税の半減・高齢者非課税限度額廃止・公的年金等控除縮小・ 老年者控除廃止という税制改正で、厳しい取り立てによるものです。住民の怒りは市税課へ来庁し直接又は、電話での抗議が約1ヶ月続いた事でも明らかです。

しかしいくら抗議をしたところで、制度上どうすること出来ず、市民はただ我慢をすることしか出来ません。

今回の増税は時限的なものでなく、毎年課税されますが、平成19年度は、また全市民規模での増税が実施されます。小泉改革による三位一体の改革は、地方交付税削減分を税源移譲として、住民負担増という冷たい措置を行いました。

その様な状況の下、毎年3月補正で行われる基金への繰り入れは果たして良策だと言えるのでしょうか?しかも将来の健全な財政運営を維持する目的として、繰り上げ償還まで計上されています。

合計金額は5億6,400万円で例年行われる基金の繰り入れ額からして、そんなに多くはありませんが、

市民への還元施策は充分だったのでしょうか?

本市の基金残高は、平成17年度末で173億円もあり財政状況も「概ね健全である」と毎年の決算認定でも明言してあります。であるならば尚のこと 市民生活支援に予算を還元すべきだと考えます。

地方自治の基本である住民の福祉の増進を図り、自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う責務を果たす意味からも平成18年度の一般会計補正予算には反対を表明します。
反対討論
 
 3番。日本共産党の松下です。私は、
第23号議案、第24号議案、第26号議案、第27号議案、第29号議案、第32号議案について、一括して反対の立場での討論を行います。

地方自治法の改定により、収入役制度の廃止がされ、会計業務に会計管理者を置くこととされた事に伴う、各組合の規約の改正でありますが、収入役は重要な会計事務をつかさどり、また市長の裁量で任命も解任も自由に出来る、一般職員と違い、その任命には議会の同意を必要とし、執行部内で市長の財政支出をチェックできる重責にあります。

一般職員による会計管理では、監視機能を弱体化させるおそれがあり、会計の公正性を危うくさせるものであり、反対の立場であります。

よって、地方自治法の改正に伴う、各組合の規約改正にも同様に、反対の立場であります。

以上で反対討論を終わります。
 
議員定数削減についての反対意見
 
 私は、今回出されました「議員定数削減についての提案」に反対であります。

市町村議会の議員定数は、地方自治法第91条の規定により、人口割合によって、その定数を定められています。

大野城市のように、人口5万人以上10万人未満の自治体では議員定数を30人とされています。現在大野城市議会は議員定数を22名とし、法定定数を12名下回っています。

議員定数の削減は、市民が政治に参加するという権利を、阻害するものであります。

世間では、「議会が身を切る」とか「財政削減」等という理由で、定数削減の話題が上がりますが、そもそも議会とは、市民の代表・代弁者である議員が、発言の自由を基本的権利とし、言論の府としての機能を発揮する責務があります。

また、議員は住民の要求を取り上げ、活発、旺盛な発言をする事が議会の生命であります。

その議会の権限は、条例の制定・改廃、予算の決定など自治体としての意志決定と意見書の決定など、議会の意志決定を持ち議決権、選挙権、監視権、意思表明権、自立権に分類されその内容は多義にわたり、極めて重要な権限を有してます。

議員は、住民にとっての、地方自治の活用や拡充の為に、会議の基本的仕組みとルールに則り、地方自治体の事務全般にわたり、執行機関の仕事に対する監視・監督する権限も併せ持っています。

それ故に、議員が少なくなれば少数派の意見が反映できないばかりか、行政の監視・監督機能も弱体してしまう恐れがあります。これは、住民にとって政治への参加の権利侵害と言わざるを得ません。

また、財政削減を理由とするならば、まず議員の報酬そのものを減額し、更に各委員会の委員長手当や費用弁償も廃止し、政務調査費の収支報告の方法や行政視察及び会派の視察のあり方も改めて見直し改正すべきではないでしょうか?

議会と議員が市民に対する責務を考えますと、定数問題は慎重に取り組み、例えばパブリックコメントにより、市民の皆さんの意見を聞く等も必要ではないでしょうか?

私は、以上のことから議員定数問題はもっと論議をし、結論を出すべきではないかと考えますので、今回の提案には賛成できません。
 
3月定例議会一般質問
 

 3番。日本共産党の松下真一です。

私は、3月定例議会の於きまして、1.教育問題について 2.国民健康保険について質問致します。

先ず教育問題についてでありますが、昨年6月議会でも取り上げました中学校給食についてと、今年4月 24日に実施されようとしています、全国一斉学力 テストについての2項目の質問を致します。

大野城市の中学校給食は、完全給食でなくミルク給食を実施しています。
そして自宅から弁当を持参できない生徒に対し、補完の意味で弁当の斡旋、いわゆるランチサービスを実施してありますが、昨年6月議会で質問した時点では、3月までの注文数は、平均61食で喫食率は2.1%、4月・5月は30食以下という状況で、以前の業者は撤退をし、7月から11月までは事業を一旦休止する事になってしまいました。

  しかし新たに保温カートを導入して暖かい弁当の提供、また1食300円で注文の方法も前日、1週間分と改善された事は非常に喜ばしいことです。

しかしながら、最初に発言しましたように、完全給食ではなくあくまで弁当の補完事業に過ぎません。
学校給食法の第1条に法律の目的とし「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ国民の食生活の改善に寄与するものである事に鑑み、学校給食の実施に関し必要な事項を定め、もって学校給食の普及充実を図ることを目的とする」とあり、第2条には学校給食の目標とし

「義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の次号に掲げる目標の達成に努めなければならない」

1日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
2学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。
3食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図る事
4食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。

   と定義されています。

また、第5条では、国及び地方公共団体は学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。

第7条では国の補助も謳ってあります。

このことからするなら、学校給食とは、小学校まででなく、義務教育、つまり中学校までは普及に努めなければならないのではないでしょうか。

今年1月23日に行われました、本市の学校給食会 指導者研究会で、4人の先生方の実践発表の中にも、4つの目標に沿って、食への関心、豊かな心、生活習慣また自らの健康問題や望ましい人間関係までに及ぶ研究結果の発表がされていました。

また、日本共産党大野城市委員会の協力の下行いました市民アンケートの回答でも、
子育て世代の親御さんや、その祖父母の方からも、中学校給食の実施を望む意見が多く寄せられました。

その結果からも今のランチサービスのままで良いのか、@新ランチサービスの喫食率についてとA献立に対し栄養士の介入はどうなっているのかお尋ね致します。

次に、全国一斉学力テストについての質問を致します。

文部科学省は今年4月24日に全国の小学6年生と中学3年生240万人を対象にいっせい学力テストを行うとしています。

日本はすでに、1961年から64年までの4年間、全国一斉学力テストが行われた事がありました。しかし様々な問題が起き、国民的な批判が高まり、中止に追い込まれたものです。

政府は何故また一斉学力テストを計画しているのでしょうか?

阿倍総理が目標とする教育改革は、教育現場への「競争と管理」の強化であり、イギリスのサッチャー改革をモデルとし、学校評価制度の導入で、教員の入れ替えや学校の評価を国の監査官や文科省が直接行う事にあるようです。

サッチャー改革は1980年代に行われた教育改革ですが、学習指導要領を作り、全国一斉学力テストを行い、成績を学校毎に公表し、教育水準局という役所を作り査察官が成績の悪い学校を廃校に追い込むという体制が作られましたが、現在では大失敗であったことが判明し、制度の修正に向かっています。

一方で「学力世界一」とされたフィンランドでは、学力調査は5%の学校を抽出して行われ、問題があるとされた学校には、教師の加配など教育条件の改善に努めるとされています。

このように一斉学力テストの目的も問題ですが、今回の実施方法も大きな問題があります。

国会で明らかになったのは、文科省は学力テストを、小学6年生はベネッセコーポレーションに、中学3年生はNTTデータに業務委託し、問題の発送・回収・調査結果の採点・集計・教育委員会及び学校への提供作業・相談対応まで全てまる投げ状態ということです。

また予備調査では学力テストとは何の関係も無い質問項目まであったということです。

このように問題を抱えた全国一斉学力テストは、実施する必要性があるのでしょうか?
しかしその実施の判断は、各市町村教育委員会の判断とされています。

では、大野城市はどう判断されているのでしょうか?

@本市の実施の予定は? 実施するとすれば 
A学力テストの目的は何ですか? 回答願います。

最後に国民健康保険についてお尋ねします。

国保は、この4年間随分質問を致しました。また要望もしました。
本市は過去10年間、国保税の本税の値上げは行われていませんし、一般会計からの繰り入れも毎年増額され、特別会計を維持してあることは、大変評価するものであります。

しかし残念なことは、1997年の国保法の改悪で、資格証の発行を実施し現在も続けていることです。厚生労働省の調査によりますと、国保税の滞納世帯は、全国で480万世帯にもなり、内資格証発行世帯は、35万世帯にもなります。本市でも、昨年6月議会で質問した時の回答では、平成18年度で資格証明書の発行は845件、短期保険証は628件とありました。

問題は、国保税の滞納世帯にたいし、保険証の取り上げ措置をしたからといって、収納率が上がったのか、政府が言う、総医療費の削減に貢献したのか?ということです。

私はまったく効果は無かった、それどころか、保険証を取り上げられた人は、診療抑制をし健康はもっと悪化したのではないか?と考えます。

大野城市で平成16年度に資格証で受診した人は、116件で、資格証の発行数834世帯の受診率は0.14にしかなりません。私が納税相談を受けた人で、保険証を持たずに病院にも行けず手遅れ寸前だったという人も何人もいました。保険証は市民の命綱です、それを取り上げるなどという制度は即刻中止をすべきであります。

憲法25条に次のように書かれています。

「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

国保税の支払いに追われ、保険証も無く病気におびえる生活に追い込むことは、憲法違反ではありませんか。

以上の事から、

@資格証の発行中止とA国保税の引き下げを要求しますが、本市の考えは如何でしょうか?回答を願います。

以上で壇上からの質問を終わり、後は自席より行います。

【再質問】
1.教育問題
(1)中学校給食
@春日市の中学校給食の喫食率は50%を越えている が何が、どう違うのか研究したか

A委託業者にたいし献立の変更や、指導はできるのか

B完全給食を実施するための試算は

C自校方式の中学校給食の実施を要求するが回答は

(2)全国一斉学力テスト
@大野城市教育委員会の判断で実施するのか
  犬山市のように独自の教育方針は検討しなかったか

A何故小学6年生と中学3年生なのか
  何故抽出方法ではだめなのか
  学力向上プランにあるCRTと数値目標の関連は

B数値目標は子ども達に過度のストレスを与え、
  いじめの原因にもなるのではないか(筑前町の例)

C予備調査として学校への質問紙調査はあったか
  子ども達への質問紙調査はあるのか
  どんな調査か?・何故するのか?・学力テストとの
  整合性は?(必要性)

C個人情報の取り扱いについて
  どこが管理するのか?・情報漏れの危険性は無いか
  本市の教育委員会はどこまで関与出来るのか

Dテスト結果の公表はありえるのか
  どんな方法で公表するのか?

 中止を求める。

2.国民健康保険
(1)資格証の発行中止について
  ○収納率は上がったか?総医療費は抑制されたか?
  ○嘱託徴収員や電話督促係の効果は
  ○世帯の生活状況がわかれば発行中止になるのでは
 
(2)国保税の引き下げについて
  ○国保の制度に限界がある
   企業が正社員を雇い社会保険に加入すべき
   若い世代の無保険者を国に改善させるべき
  ○一般会計からの繰り入れの増額は
   税源移譲が進めば財政難は回避できるのでは
   市民の健康と暮らしを守る責務がある
   部長の回答では将来国保税の値上げの検討もあり得るか

【まとめ】

昨年6月に高齢者を中心に住民税が大幅に増税されました。また今年は定率減税の廃止や、市県民税の税率の見直しで、市民はまたもや大増税になります。

国は、国民の教育、暮らし、いのちに関する事まで責任を放棄し、地方自治体への負担を強いています。

財政難や行革の名の下に、住民はいつまで我慢をしなければいけないのでしょうか。

住民が負担した税は、住民に最大限に還元されなければならないと考えます。

中学校給食や国保問題も地方自治法にある、住民の福祉の増進を図り、自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うとする基本に立ち、実施の方法論を考慮すべきであります。また、子ども達の未来が、希望に満ちた世界にするためにも、監視ではなく、支援をする行政になるべきであります。

これからも大野城市の市民が、心豊かにそして、本当の主人公である市政を遂行する事を要求して、一般質問を終わります。

 
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