2005年5月臨時議会
第40号議案 
大野城市税条例の一部を改正する条例の専決処分の反対討論
 
 1番 日本共産党の松下真一です。 私は、5月臨時議会に提案されました、第40号議案、大野城市税条例の一部を改正する条例の専決処分に付き、反対の立場での討論をおこないます。

 政府が、昨年12月24日に閣議決定した2005年度予算案では、所得税・住民税の定率減税の半減を皮切りとする本格的な大増税路線に踏み出しました。

 これまでは住民税が課税されなかった高齢者や、フリーターにも課税するとか、障害者などの福祉サービスの自己負担を増やすとか、およそ負担能力の無いところまで負担を求める、情け容赦ない施策が盛り込まれ、「老いも若きも負担増」と批判されています。

今回本市での市税条例の改正は、高齢者に対するものでありますので、青年層に対する新たな税負担については、発言を控えます。

 現在65歳以上の高齢者は、年間所得が125万円までは、住民税は非課税になっています。しかし、昨年、公的年金等控除の縮小や老年者控除の廃止が決定され、住民税については、2006年(平成18年)6月からの実施に合わせ、非課税措置を廃止しました。

このため高齢者の住民税は、2006年6月に公的年金等控除の縮小・老年者控除の廃止・非課税限度額の廃止・定率減税の廃止と4つの改悪が同時におこなわれることになり、今まで住民税非課税だった高齢者のうち、全国で100万人本市では人が新たに課税される事になります。

 その結果、例えば年金を年260万円受給している高齢者は単身者で年額約5万円、夫婦世帯で年額約3万円の住民税を新たに納める事になります。

条例の改正案では経過措置があるために全額を納めるのは、2008年(平成20年)からですが、この経過措置も、平成17年1月1日現在65歳に達している人のみで、本年中に65歳になる方以降には適用されず、平成18年6月から全額納付となります。

 また、年金を受ける資格が無く働いて生活している高齢者の場合、事態はもっと深刻になります。

 現在は年収204万円程度までは住民税は課税されませんが、改正後は、単身者で100万円を超える年収で住民税が課税されることになります。

これは、生活保護基準をも下回ってしまいます。高齢者には、「障害者」や「寡婦」の場合があり、こうした人には、非課税限度額の 125万円は引き続き適用されますが、熟年離婚で単身者となった高齢女性の場合は、「寡婦」の適用もなく非課税限度額は急激に低くなります。

 さらに社会保険料などの料金負担にも影響が出てきます。介護保険料は、第U段階(非課税世帯)か第V段階(本人非課税)から第W段階(住民税課税)になり、年間1〜2万円の負担増になります。

 医療費の負担限度額も70歳以上の場合、 住民税が課税か非課税かで通院や入院の給食費など含めて1ヶ月の負担限度額も変わります。

 このように高齢者から、新たな住民税を取り立て、また社会保険料の負担増など全く道理がありません。

 本市の国民健康保険税の算定方法は、住民税とは連動してませんが、大都市では住民税が増えることにより国保料が大幅に増す問題が生じ、政府税制調査会でも問題になり「税制改正大綱」に「問題解決を地方分権の趣旨に鑑み関係市町村において必要に応じて適切な措置を講ずる事を期待する」と記述されるほどです。

 そもそも、「三位一体の改革」について政府の狙いは「地方分権の推進」と言う看板とは裏腹に「地方への国の支出を削減する」という点にありました。

この結果、地方財政の圧迫と住民サービスの切り捨てにつながる危険をはらんだ内容になりました。

 総務省も関係自治体に対応を求めているように、高齢者に対する増税策は、自治体としてなにがしかの救済措置を講づるべきだとおもいます。

 以上の点から、今回の市税条例の一部を改正する条例の専決処分には、反対であります。

 以上で討論を終わります。

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