2004年9月議会
認定第1号
平成15年度大野城市一般会計決算認定について反対討論
 
 1番日本共産党 松下真一です。私は、認定第1号 平成15年度大野城市一般会計決算認定について反対討論を致します。

 平成15年度一般会計決算は、決算の概要で説明があります様に、地方財政は極めて厳しい状況にあります。

 しかし、この厳しい状況を作り出したのは、大野城市民でも、市職員でもなく、政府の失政・特に消費税導入により経済界を冷え込ませたのが原因と考えます。

 その中で、15年度決算が、黒字決算で公表できますことは、誠に評価できるものであります。しかも、財政難になると、福祉と文化は切り捨てられると、よく言われる中で、文化財の保護や子育て支援、学校教育環境の整備など、充実した決算になっています。

 本来、地方自治とは、住民の福祉の増進を図ることを基本として、住民の権利や利益を保証するものと考えます。

今日、地方行政の財政を圧迫する国の政策により本来守られなければならない、住民の福祉の増進を弱者から、少しずつ奪っているのでは、ないでしょうか。

例えば、介護サービスや高齢者対策で、新規事業の利用者が誰もいなかったり、申請者が半減したことは、申請の手続きが、煩雑で気軽にできないようになっているとか、基準がバブル期のままで、不況と言われる現在のニーズに合った基準であるか。等、検証すると果たして、弱者救済の立場に立っていないのではないでしょうか。 

また、永年続く同和対策事業や同和教育の予算の執行を行っていることも問題であります。

 同和行政は、人権問題と混同させ、国も終結した特別措置法をいつまでも引きずり、多額の補助金を拠出しています。仮に補助金を必要とするならば本市の住民に利益が還元され、又は、本市の団体に直接支給されて然るべきと考えます。

 同様な、負担金として、福岡地区水道企業団への海淡や五ヶ山・大山ダム建設への出資金があります。

これは、決算審査意見書で監査委員も「今後の水道事業の経営に一層の厳しさが余儀なくされる」と危惧されるている事や、一般質問でも明らかになったように将来は、水道料金の値上げにつながってしまいます。

 列挙するときりがありませんし、当然反対意見も出て来るでしょう。

しかし、私は、健全な黒字決算の陰にいくつかの、将来への禍根を残したり、弱い立場の住民への切り捨てが見られる様な決算書には、賛成できるものではありません。

 よって、認定第1号 平成15年度大野城市一般会計決算認定に、反対を致します。
 

地方分権推進のための
「国庫補助負担金改革案」の実現を求める意見書案
 
 地方分権推進のための「国庫補助負担金改革案」の実現を求める意見書案について、の討論を行います。尚、通告なしの討論を行うことにつきご容赦願います。

 そもそも、この「国庫補助負担金改革案」は、今年度政府予算での、交付税をはじめとした、地方への財政支出の大幅削減で、自治体からの怒りが一斉に噴き出しました。

小泉総理は地方の不満をかわそうと、3兆円の地方への税源移譲を行う事を新ためて示し、その為の補助負担金削減案を地方6団体にまとめる事を要請。

このことを経済財政諮問会議で策定した「骨太の方針第4弾」にもりこみました、以上の経過で8月24日の経済財政諮問会議に提出されたものです。 

原文の「記」以下の8項目についてはほぼ賛成できるものであります、が「国庫補助負担金改革案」の中に、福祉・教育等、国庫補助事業として堅持すべき事業が含まれています。

たとえば、中学校教員の義務教育国庫補助負担金制度の廃止で8,500億円。公立保育園に続き、私保育園の国庫補助負担金制度の廃止で4,100億円等です。

 国の地方財政削減が、昨年と今年に続いて、今後一層強まることが懸念されるため、このことを容認しないためにも、次のように修正されることを提案致します。

1,表題を「地方分権推進のための地方財源確保に関する意見書」と修正。

2.前文の下から3段目「…よって」云々以下を、しかし、8月31日の経済財政諮問会議では地方交付税の大幅な抑制につながる改革案などが提出される等、地方財源の削減が、今年度予算に続いて懸念される事態となっている。

 よって国においては、三位一体の改革案の全体像の審議に当たっては、以下の前提条件をふまえる事を強く求めるものである。

 以上の2点の修正がこの意見書案への賛成要件と致します。

 以上で、討論を終わります。

請願第2号 
「人権侵害の救済に関する法律」の早期制定を
求める請願書に対して反対討論
 
 請願第2号 「人権侵害の救済に関する法律」の早期制定を求める請願書に対して反対討論を行います。

 委員長報告では、採択でありましたが、請願第2号は、不採択か、継続審議にすべきものと考えます。

何故なら、本請願は、「人権侵害の救済に関する」法律の早期制定を求めて、部落解放同盟筑紫地区協議会から提出されたものであります。

 部落解放同盟は、本年3月に開かれた全国定期大会で「人権擁護法案に変わる、人権侵害救済法の早期制定」を決めており、「人権侵害救済法」の意義を「部落解放基本法制定運動の承継と発展的展望」と位置づけ、部落解放・人権政策確立の重要な一里塚であるとしています。

さらに、地方自治体での新「同和」行政・人権行政の確立を求めて行くために、「新『同和』行政推進施策基本方針」の具体化を進めています。

今回の、請願の本会議への提出は、その一環であることが推測されます。真の人権救済のあり方について、国や行政に問う際の視点として、4点の事を考慮しなければならないと考えます。

第1に、人権救済機関が、政府から独立性を確保できているか。

第2に、憲法の基本的人権条項を実現していく内容なのか。人権を差別に矮小化してないか。

第3に、公権力、社会的権力による人権侵害にたいして役立つ内容になっているのか。

第4に、人権を守る事は、裁判を受ける権利をいかに充実させるか。人権救済のあり方が、司法の民主的改革と連動しているか。 等で問うて行かなければならないと考えます。

 憲法14条T項に明記されている差別事由について「政治的、経済的又は社会的関係に於いて」差別をしてはならない、としています。

しかし、本請願で求めている人権侵害の救済に関する法は、「政治的、経済的関係を削除して、意図的に「社会関係」に限定して、国や企業、行政など公権力・社会権力の人権侵害に対しての特別な対策がなく、国民間の人権侵害に問題をすりかえた不十分なものとなっています。

 1993年国連総会での「国内人権機関の地位に関する原則」いわゆる(パリ原則)や98年の国連子どもの権利委員会並びに国際人権規約委員会からの機関の勧告は、「公権力の人権侵害から国民の人権を保障する」事を意図したものです。 

我が国の人権の状況は、「職場に憲法なし」と言われている、大企業での賃金雇用、女性差別、思想信条による差別。

また、警察の自白強要、代用監獄や刑務所での人権侵害、そして薬害エイズへの加担、ハンセン病患者に対する隔離政策など、行政機関がかかわった被害など、深刻な人権侵害は後を絶ちません。憲法で保障された基本的人権は著しく侵害されています。

日本共産党も人権救済機関の設置は当然必要と考えます。

しかし、本請願は、人権擁護審議会答申や、パリ原則を、恣意的に援用し熊本のハンセン病患者に対する宿泊拒否問題や、インターネット落書き問題をカムフラージュの為に引用し人権問題を社会関係の個人対個人の関係に矮小化しているものです。

そして、すでに社会問題として解決した、部落問題に目をつむり、「部落解放基本法」制定の実現と新「同和」行政の確立で、部落解放同盟の運動の永続化を図るために、人権侵害救済を作為的に利用しているに過ぎません。

 以上の理由で、本請願に反対致します。

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