2002年11月臨時議会
大野城市職員の給与に関する条例の一部を改正する
条例の制定について反対討論
 

 1番日本共産党の松下です。私は、第72号議案・大野城市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定についての反対討論をいたします。

 本案件は、本年8月8日の人事院勧告をうけ9月16日閣議決定、その後衆議院の解散・総選挙とあわただしい中、10月3日衆議院総務委員会で可決、参議院でも10月10日に可決されたものです。

 そもそも、人事院勧告とは、戦後、1948年のアメリカ占領軍の制令201号で、公務員労働者の労働基本権、具体的にはストライキ権を取り上げる変わりに給与改定については、そのときの民間産業労働者等の給与に勘案して人事院が公務員の給与改定を政府に勧告し、それを政府が受け入れて、実施してきました。これに準ずる形で地方公務員の給与も決め来ました。

 しかし、昨年、人事院は初めて、公務員の賃金引き下げの勧告を出し、第155回国会、衆議院総務委員会で可決、実施をされました。 この時は、人事院が持つ公務員の生存権を保障する「代償機能」の逸脱行為や、4月にさかのぼっての賃下げは、「不利益不遡及」の原則にも反するとの指摘で、4項目の付帯決議を付してます。 

その中で、給与のマイナスが、公務員の士気・民間賃金・経済に与える影響。 公務員の給与改定の時期が、民間企業と乖離している事。人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることをかんがみ、職員団体等の意見を充分聴取し理解を得るように。
と書いてあります。

 しかしながら、この付帯決議を無視するかのごとく、2年続きで本年も公務員の賃金引き下げの勧告をだし、実施しようとしています。今、日本経済は、景気の低迷、不況の連続で、民間企業の賃上げ縮減、リストラの横行、失業者の増大で苦しんでいます。しかし、この景気の低迷、不況の連続は、労働者の責任で続いているのでは有りません。 

この中での、公務員の実質賃金の引き下げは、国と地方750万人の公務関係労働者の将来の生活設計を狂わせ、国内消費をさらに冷え込ませ、民間労働者の賃金引き下げの方向に向かう、悪循環になるのでは、ないでしょうか。

 事実、政府の「最低賃金審議会」での使用者側の発言に、この法改正が、民間労働者の賃下げに利用されいることが指摘されています。

 以上の事から、人事院勧告制度の趣旨に反する、今回の措置はとうてい賛成できるものではありません、

よって、国の法案に準ずる、大野城市職員の給与の引き下げの本件に、反対いたします。

以上で反対討論を終わります。

2002年11月27日

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